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共存の森ネットワーク事務局

Author:共存の森ネットワーク事務局
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裾野にいます~袖のみちかけin八戸~

声が聞きたい。


僕が袖のみちかけというワークショップを始めた理由はそれなのかもしれません。八戸から帰る新幹線で車窓も眺めず、疲れきってくしゃくしゃに丸めた上着をまくらと毛布代わりに眼をつむりながら、うつらうつらそんなことを考えていました。

 

聞き書き甲子園の運営に携わってかれこれ6年です。100人の高校生が変わってゆく姿は圧巻で、さながら祭のような熱気があります。祭が時として生きている者と死者の境界線を曖昧にするように、100人の高校生と接していると、11<あなた><わたし>の関係でしっかりくっきりコミュニケーションがとれることは多くないと思うのです。

 

それでも少なからず。わたしはこう思う、こうしたい、こんな迷いがある。そんな発露から高校生の立ち姿がきれいに見える瞬間があります。その時に、僕は嬉しいですし、きっと自分の立ち姿も相手には、クリアに見えているのだろうと思うのです。

 

あぁ、そうか。僕は声が聞きたかったんだ。目の前のひとに向けて、稚拙でも言い淀んでも確かに伝えようとする姿勢。伝えたいと思えるなにかが在るバックグラウンド。自分にはなにもないと足掻く暗やみ。その全てを声にのせて。その発露は「高校生」とひとくくりにしていては見えてこないリアリティです。そこにたくさんのことの出発点があると信じています。


 

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八戸での袖のみちかけ取材編集ワークショップに参加してくれたのは、2人でした。

少人数でのプログラムを行うことで、今まで掬えなかったことを掬おうとした僕らにとって、2人という人数は決して悲観するものではありませんでした。

 

ダイアログ→相手に向けた詩づくり→受け取った詩のタイトルを漢字一文字でつくる→取材編集講座→取材相手を考える→次回へ

 

プログラムは上に書いた通りです。ダイアログで僕とペアになったのは、沖田さんという八戸市内の高校に通う女の子でした。「いま、ここにいる動機、理由」を話す時間では、袖のみちかけチラシの文章やデザインが素敵だったから参加したと話してくれました。袖のみちかけのコンセプトや空気感、内容、その全部をひっくるめて、良いと言ってくれるひとが参加してくれて本当に嬉しかったです。それに対して僕も、聞き書き甲子園に集まる高校生以外にも、きっと渇きを感じていて、僕らの思いと重なる部分を持っているひとはいて、そんなひとと会いたくて、でもどこで会えるかわからなくて、八戸ブックセンターさんという素敵なコミュニティがあるここにやってきたと伝えました。

 

気恥ずかしさを抱きながらも、自分の思いを言葉として相手に伝えることができたダイアログと詩づくりだったと思います。そうして、沖田さんに向けて書いた詩を詠んで、すこし詩の意味を補足している時、彼女がしっかりと僕の言葉と思いを感じようとしている姿勢が印象的でした。

 

取材編集講座では、取材ですぐに使えるテクニックもいくつか教えました。それらの話をしきりに頷いて聞いてくれていた中野さんは、これまでも市の取組みなどで取材経験があるようで、月並みな表現ですが、なんて面白い2人が集まってくれたのだろうとわくわくしました。

 

取材先には2人が興味のあったハンドメイド製品をつくるひとたち、それらのひとが集まれるイベントを主催しているひとを候補に据えました。きっと、取材に向けて2人とも眼に見える以上に緊張していると思います。がんばれがんばれ。


 

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ふと八戸・青森という土地を振り返ると、そこには八幡馬やこぎん刺しなどのかわいらしい伝統工芸品があります。山に例えるならば、山頂や8合目9合目あたりにはひっそりどっしりとそんな伝統工芸品が佇んでいます。そのずっと下の大きくなだらかに広がる裾野に、2人が興味を持ったようなハンドメイドが点在しているのかもしれません。八戸という土地にそびえる山を裾野から楽しみながら、時に山頂を見上げたりしながら、面白がってほしいなと思います。いずれ、山頂まで登りたくなったら登ればいい。その時に見える景色はきっと裾野で楽しむのとはまた違うものだから。袖のみちかけin八戸は始まったばかりです。(共存の森ネットワーク理事 工藤)


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袖のみちかけワークショップin八戸!

12月3日(日)に八戸ブックセンターで実施させていただいた取材編集WS〈袖のみちかけ〉。

主催したのは聞き書き甲子園学生スタッフの私、山﨑と学生スタッフを束ねていて共存の森の理事の工藤さんです。

 

参加者は、たったの2名。予想を超える、少人数でのワークショップでした。

でもその分、濃かったです。無理に参加人数を増やさなくてよかったと心から思いました。

 

濃密な約4時間。その様子をお伝えします。

 

参加してくれたのは八戸市内の高校に通う2年生の沖田さんと中野さん。

袖のみちかけのチラシに共感してくれた沖田さんが、同じ演劇部の中野さんを誘って、一緒にやってきてくれました。

 

ほんのりとした緊張が漂う中、今日の流れを説明し、ダイアログ〈対話〉から始まります。

ダイアログでは、会場を消灯し、相手の顔がみえるかみえないかの薄暗い中でお題をもとに対話を行います。

 

どちらかと言えば、シャイな彼女たち。

私とペアだった中野さんは、お題を聞いた途端「えぇ〜…」と困った様に腕をさすっていました。でも、話していくうちに、彼女の内側でじたばたしている「自分の表現を見てもらいたい」という思いが伝わってきました。

 

工藤さんとペアだった沖田さんは、手作りのアクセサリーを作るのが大の得意で大好きで、そんな彼女から気になる話を聞きました。

最近、八戸の中心街にレンタルスペースショップができました。レンタルスペースショップとは名前の通り、「場所を借りられるお店」です。「ハンドメイド作品を売りたいけど、お店持ってないし…」というような方々が利用できるところです。こちらには、地域のおばちゃん達が作ったであろうハンドメイド雑貨がところせましと並んでいます。一般のひとによるハンドメイド作品がネットで売買されることが増えてきた今、とても時代に合った素敵な場所だと思います。

 

でも、そんなレンタルスペースショップに関して沖田さんが、ひと言、

 

「レンタルスペースを利用できるのは20歳以上の人だけなんです。」

 

もったいない、と思いました。いや。正直なこと言うと、もももも、もったいねー!くらいでしょうか。彼女がそのお店を利用したくて調べていたという事実が、刺さりました。あとちょっとなのに…!あとほんの一歩…!!

 

歯がゆさがぽつんと残ります。

でも、です。

 

その現状と、彼女たちの思いが知れただけで、この場を準備した意味は十分にあったんじゃないかなあ、と。そんな気がするんです。

 

袖のみちかけでは、沖田さんと中野さんの取材記事を冊子という形でまとめます。

デザインや具体的な構成は、まだまっさらな、それ。

その冊子が、ふたりを始めとした高校生の前にある靄を晴らすきっかけになったらいいなあと思います。


  

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ダイアログの後は、対話相手をイメージした詩をつくりました。

前日にみちかけスタッフが製作した手製本ノート(みちかけのロゴ入り!)にひらがなスタンプをぺたぺた。

詩が完成したら、お互いに「どういう意図で書いたか」「どこにその人らしさをこめたか」を発表し合います。

 

発表が終わると、起こるささやかな拍手。

少し照れくさい、でも清々しい、不思議な時間でした。

 

発表が終わったらそのノートをペアで交換します。

目の前に置かれた詩。〈相手〉から見た〈わたし〉がつまっている詩。

じゃあ、その詩〈わたし〉を漢字一字で表すとしたら?

今度はその漢字を、三角形や四角形のスタンプを使って表紙にぺたぺた。

ちなみに沖田さんが書いたのは「泉」。

中野さんが書いたのは「流」でした。

話した相手が違えば、漢字一字も違ったはず。同じ話を聞いても、編集者によって内容が変化する取材記事と少し似てますね。

 

 

と、ここで前半戦が終了。

 

〈取材・編集〉を〈対話と詩づくり〉に置き換えたことで、新たな方向から「聞き書き」を見てもらえるのではないか、とちょっぴり期待しつつ後半戦へ!ここからは「みちかけ流・取材編集術」と題して、実際の取材時に使えるノウハウを講座形式でレクチャー。

 

ふたりが先ほどのノートにペンを走らせます。沖田さんのまっすぐな横顔と、中野さんのぐぐっと前かがみになった背中。その光景を見て「これは面白いものができるだろうなあ」と勝手にわくわくする私。

はやく取材日になってほしいです。聞き書きは、面白いよお。

 

 

そうこうしているうちに講座が終了。

いよいよ取材先決めに入ります。

 

カレー屋や老舗の着物屋、最近行って美味しかった喫茶店などふたりから様々な案が出ましたが、彼女たちの中に共通してあった「ものづくり」への興味が決め手となり…

八戸にあるハンドメイドのお店を取材することに。沖田さんと中野さん越しに見る八戸の人ともの、どんなかなあ。たのしみです。

そんなこんなで、約4時間のワークショップは無事終了!

最後に全員で一枚パシャり。


 

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「他の高校生が表現した詩を読んでみたい」と参加してくれたふたりにはとても申し訳なかったですが、その分彼女達の中にあったものを掬えたのかなあと。同時に、私たちのこんがらがり始めていた思いをふたりが掬い上げてくれたとも思っています。

 

次のワークショップ開催は2月です。

それまでに彼女たちはは各々でアポを取り、各々で取材を行います。

 

真冬の八戸は雪が積もらず、代わりに道路がつるつると滑るらしいです。

ふたりが教えてくれました。

2月はニューバランスじゃなくて、滑り止めがついた靴を履いていこう。